純心中・純心女子高と長崎南山中・高では、共学校とは異なりカトリック・ミッション系学園として、男子・女子それぞれの特性や発達段階を踏まえた特色ある教育がおこなわれてきた。両校で学ぶ生徒たちは、男女別学の環境のもと、ありのままの自己を磨き、豊かな人間性を陶冶してきており、自由で自立的な、豊かな学園生活の中で、自分らしい確かな自己の尊厳を確立していくことを目指すのが、共学にはない純心と南山の男女別学の学びの枢要である。
しかし今日、グローバル化社会、持続可能な多様化社会のさらなる進展に伴う多文化共生社会の到来に、人々の「共生と多様性」尊重する価値観の醸成が強く求められるようになった。そのためには、異性間の協同及び異文化交流の機会を、私たちの教育の場に設定することが必要であると考える。
そこで、男女別学である両校は、2022年度(令和4年度)より男子校・女子高の“教育連携”校として、種々の学びの協同企画を構成し、人間性の向上を目指しつつ、上の多文化共生社会における世界観や価値観を構築しながら、生徒個々の社会参加への力をより成長させることとする。
両校がこれまで、それぞれの建学の精神のもと、誇りある女子教育と男子教育を実践してきたことは、歴史の証するところである。この別学教育の良さを生かしながら、両校はさらなる教育的地平の広がりの中で、新たな教育連携プログラムを形成し、実践するように努める。